製品紹介
HPLCカラム

カプセルパックとは

HPLC(高速液体クロマトグラフィー)は分離・分析の重要な手法の一つとして広く一般に使われています。この手法にとってカラムの持つ特性は良くも悪くも、最も大きな影響を与えます。

資生堂では、お客さまの目的とされる様々な分離にお応えできる様、低極性から中極性、高極性と全ての領域に対応できるようカラムを品揃えしています。

またカプセルパックは、世界のどこでも、どのロットを使用しても常に安定した分析結果が得られるように、製造から充填までの各工程で徹底した品質管理を行っていますので安心してお使い頂けます。

担体の種類による充填剤の特徴

オクタデシルシリル化(ODS-)シリカゲル、オクチルシリル化シリカゲルに代表されるシリカゲル系の充填剤は、耐圧性や溶媒安定性に優れ、分離性能が高い上、適用対象試料の幅が広いこと、更にはカラムコストが安いなど多くの特長を持っています。

しかし、近年のバイオテクノロジーの発展に伴い、タンパク、ペプチドなどの生体成分分析や医薬品の生体内代謝などの研究が進むにつれ、これらの成分、特に塩基性化合物の非可逆的吸着によるピークテーリング、回収率の低下が問題点として浮かび上がってきています。

このためODSを結合させた後に未反応のシラノール基(Si-OH)をトリメチルシリル化剤で処理(エンドキャップ)し、これによって吸着性や耐久性の問題を改善しているのが一般的です。 塩基性化合物は、アルカリ性の溶媒で溶解性が増加することから、アルカリ性の移動相溶媒を用いれば回収率が向上することが予想されますが、シリカゲル系充填剤はアルカリ側で溶け出すため使用できないという欠点を有しています。

これに対し、もう一つのタイプであるポーラスポリマー系は幅広いpH領域で使えることや、試料負荷量が大きいなどの特長がありますが、分離能力が低いこと、耐圧性が低いこと、充填剤の膨潤収縮が大きいため使用できる溶媒に制限があること、カラムコストが高いことなどの欠点があります。ポリマーゲルでは、ゲルの硬質化による耐圧性の向上、架橋度を上げることによる膨潤収縮率の低減などの方向で開発が進められています。

資生堂ではこれらの状況から、シリカゲル系、ポリマー系それぞれの特長を併せた高性能充填剤、すなわち既存ODS-シリカゲルの持つ耐圧性、耐溶媒性、高分離能をそのままに、耐アルカリ性を付与し耐久性を向上させたシリカゲル系充填剤の開発を進めました。 そこで、1985年に化粧品で培われた技術の一つである粉体表面処理技術を応用することにより、新奇なポリマーコート型充填剤(カプセル)の開発に成功しました(日本化学会化学技術賞を受賞)。

この技術は、下記を特長としています。

  1. シリカゲルの細孔をつぶすことなく、細孔に沿って均一な膜厚のポリマーで被覆
  2. 膜厚を正確にコントロール
  3. ポリマーの化学的コーティングによる優れた耐溶媒性
  4. シリコーンポリマー層とC18あるいはC8等との安定した化学結合

構造

カプセル型充填剤と従来の化学結合型充填剤の構造的な差異を模式的に図1に示しました。

特に、MGⅢは、酸性条件下における塩基性化合物の保持再現性が高いので、長期間に亘るLC-MSを用いる臨床試験用検査等、GLPで要求される安定したメソッド確立に最適です。

従来の化学結合型充填剤は、シランカップリング剤を用い基材シリカゲル表面のシラノール基に直接アルキル基を化学結合させています。これに対し、カプセル型充填剤は、基材シリカゲルをシリコーンポリマーの均一な薄膜で完全に被覆した後、アルキル基を結合(または、アルキル基を結合させた後、シリコーンポリマーの均一な薄膜で完全に被覆)しています。

図2にカプセルパックにおけるシリカゲルへの各官能基の結合状態を示しました。

図1 ポリマーコート型充填剤と一般充填剤の構造比較

図2カプセルパックにおけるシリカゲルへの各官能基の結合状態

図2 カプセルパックにおけるシリカゲルへの各官能基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのC18基及びC8基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのPh基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのPh基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのNH2基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのNH2基の結合状態
但し、mとnは、0~4の整数

カプセルパックにおけるシリカゲルへのCN基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのCN基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのC1基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのC1基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのSCX基の結合状態

カプセルパックにおけるシリカゲルへのSCX基の結合状態

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膜厚及び細孔

図3に基材シリカゲル→シリコーンポリマーコートシリカゲル→カプセル型C18充填剤の過程における細孔分布状態の変化を示しました。

基材シリカゲルは、平均粒子径5μmの球状のものを使用しましたが、この平均細孔半径は約6nm、すなわち平均細孔12nmでした。シリコーンポリマーコーティングにより細孔半径は平均0.7nm減少しています(膜厚:約0.7nm)。またC18を反応させる事により、細孔内部にもC18基が結合している事から、さらに細孔半径は0.8nm減少しています。

2段階の反応において、それぞれ細孔半径は減少していますが、細孔分布の幅は変化していません。このことは、細孔内において均一なシリコン樹脂被覆、並びに均一なC18基の導入が行われている事を示します。

図3 シリカゲルとシリコンコートシリカゲルおよびカプセルタイプC18の細孔分布

図3:シリカゲルとシリコンコートシリカゲルおよびカプセルタイプC18の細孔分布

品質管理

シリカゲル基材の粒子径、細孔径、比表面積、細孔容積、金属含有量について規格値に基づく検査を行い、各製造工程において徹底した品質管理を行っています。

いつでも、世界のどこでも常に安定した品質のカラムを手に入れる事が可能ですので、安心してルーチン分析業務にもお使い頂けます。

また、カプセルパックは国内の薬事申請はもちろんのこと、米国薬局方によるUSPカテゴリーにもほとんどの充填剤が分類され、ワールドワイドな申請業務のお手伝いができる充填剤となっております。

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